【書評】「心と体を整える子育て力」




子育ての範囲は広い。真剣に考えるほど、どう手をつけていけばよいかわからなくなるし不安になる。子育ての範囲は人生そのものだからだ。

本書は、子育てのテーマを「知」「情」「意」「体」と設定している。
「知」は知性、「情」は情緒、「意」は意志、「体」は体である。著者の他の著書でもそうだが、明確で切れ味鋭い設定はわかりやすい。子育てをシンプルに考えることができ、不安がいくぶん払拭されるのではないだろうか。

本書の構成は、前述のテーマごとに必要な具体的な子育てについて書かれている。

「知」で肝としているのは「絵本」である。ちなみに巻末に著者のオススメ絵本が紹介されている。
絵本での子育てを基本としつつ、小学生になったら音読を重視している。それは、身体を使った習慣づくりが、精神を磨く、心を安定させることにつながるからである。
他には、小学校4年生までは、ダイニングテーブルで勉強をし、それからは大人になっても使える学習机を準備するとよいという。著者は、集中力が高まる机として、図書館などにある隣との机の境にパーテーシヨンの仕切りがあるものをあげている。
また、子どもの集中力を高める方法として、砂時計やストップウォッチを勧めている。

「情」では、親子が対話する時間と空間づくりの大切さがポイントになっている。
著者のビジネス書にもよく出てくる「偏愛マップ」はここでも役立つことが紹介されている。子どもが好きなものを増やしていくのは、人生の豊かさにつながる。そういう意味で、親が偏愛マップを使って子どもの好きなものをバランスよく増やせるよう接するのは重要だ。

「意」で印象的だったのは、逆上がりができない子というのは、チャンスだということだ。何も努力せず逆上がりができる子は、そこから何も得るものはない。できない子は、どうしたらできるようになるのか、必死で考える。上達の普遍的な法則を身につけるよいチャンスということだ。

また、親が子どもと一緒に何かを考えるときは、紙の上に書き出すと落ち着いて話しができるという。
わたしの家には、4歳の息子用の大きなホワイトボードがある。ときおり、字を書いたり絵を描いたりコミュニケーションをとるのだが、何もないよりは書きながらの方が息子の理解は早い。

最後の「体」では示唆深い内容が2つあった。
ひとつはスキンシップである。子どもが小さい頃は抱っこをしたりスキンシップをはかる機会が多いが、子どもが大きくなるにつれてだんだん少なくなってくる。そこで、成長にあわせたスキンシップとして、おんぶ、マッサージ、ストレッチ、が紹介されている。確かに、ストレッチやマッサージであれば、子どもが大きくなっても自然とスキンシップをはかることができそうだ。
もうひとつは、褒め方である。性質を感じさせる褒め方が、褒めて伸ばす、につながるという。どういうことかというと、例えば、音楽がちょっとできるとしたら、「音楽のセンスがいいね」とか、ある教科がひとつだけ得意だとしたら「勉強が得意なんだね」と、少し拡大してあたかもその子の性質と感じさせるような褒め方である。そうすることで自信につながり伸びていく。

このように、子育てについて各テーマごとに整理されているのだが、対象としている年齢は乳幼児に限っていない。小学生や中学生の子どもを持つ親にも十分参考になる本だと思った。
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