マイナス思考からの出発「大河の一滴」



この本との出会ったのは、1999年、大学4年のときでした。

自分の生き方に大きな影響を与えてくれた大切な本です。根っからのマイナス思考で、悶々としていた私にそっと手を差し伸べてくれました。助けられたといってもいい。それは、本書にあるマイナス思考からの出発という考え方です。

この考え方にはずいぶんと救われました。他人に期待しない。人生に期待しない。
少し虚無的ではありますが、私にはすっと腹におち、肩の荷が軽くなったのです。魔法の言葉をもらったようで、目の前がぱっと広がった思いでした。今でもこの考え方は、私の生き方や考え方の根本をなしています。
 
また、世の中を鋭く切り取る著者の視点は、新鮮でした。当時、私は世の中で起こった出来事をただやり過ごすだけで、自分なりの考えや思いなど考えようともしなかった。

本書を読んでからは、世の中の出来事に目を向けるようになり、自分なりのとらえ方を意識し、自分なりの考えを持つようになったのです。人生の幅が広がる思いでした。

それからというもの、著者の虜になり、今まで出版されているエッセイ関係の本はすべて読み漁り、新刊は今でも読み続けています。それだけでは、満足できず著者の講演会などがあると遠方だろうが追っかけるようになった。

さらに、数年前、「五木寛之ふたり塾」という出版社の企画に縁があって参加することができ、念願の五木氏とことばを交わすことができたのは、今でも大きな喜びです。

今でこそ完全に五木寛之氏の考え方に共感している私ですが、その出発点はこの本だったというわけです。
今では座右の書として心の中に大切に置いている本です。


《印象に残った内容のメモ》

○「結局は、時間が解決してくれるのを待つしかないのだ。時の流れは、すべてを呑み込んで、けだるい日常生活のくり返しのなかへ運びさってゆく。待つしかない。それが人生の知恵というものだろう。」

○「人生というものはおおむね苦しみの連続である、と、はっきり覚悟すべきなのだ。私はそう思うことで「こころ萎え」た日々からかろうじて立ち直ってきた。」

○「何も期待しない覚悟で生きる。親は子に期待してはいけない。子も親に期待すべきではない。人を愛してもそれはお返しを期待することではない。(中略)だから夫は妻に期待すべきではない。(中略)自然に持続することを無意識に期待するのは、まちがっている。」

○「私という自分二つある。(略)すべての人間と共通している自分と。だれとも異なるただひとりの自分。その二つの自分は、ときとして対立し、ときとして同調する。」

○生きた、ということに人間は値打ちがある。どのように生きたかということも大切だけど、それは二番目、三番目に考えればよい。生きているだけで人間は大きなことを成し遂げているのだ。

○「マイナス思考のどん底のなかからしか本当のプラス思考はつかめない。」

○「目に見えるものだけを信じてきたのが、これまでの科学であり、私たちの学問だったと思います。見えないけれども、私たちがそれを認めることができないだけなのではないか、私たちの能力が限られているからではないか、と謙虚に考えたほうが自然なのではないか。」

○私たち哺乳類は一生のあいだに約5億回の呼吸をあたらえられて生きている。(「ゾウの時間ネズミの時間」本川達雄)

○人間の傷を癒す言葉には二つある。ひとつは「励まし」であり、ひとつは「慰め」。慈悲の「慈」が励まし、「悲」が慰め。





※本記事は、以前運営していたブログ(books in life ~知識の倉庫~)で掲載した記事の内容を一部加筆修正したものです。

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