子育ての座右の書2【書評】続 子どもへのまなざし



本書は『子どもへのまなざし』の続編である。
『子どもへのまなざし』は、以前の記事〈子育ての座右の書に出会った【書評】子どもへのまなざし)にも書いたが、子を親を持つ全ての親に読んでもらいたいと思ったほど、すばらしい本であった。



本書もそれに変わりはない。

本書は、第1章では、読者の質問に答える内容になっており、第2章は「育児、母性と父性、家庭について」、第3章は「育児と社会」、第4章は「障害を持つ子ども」といった構成になっている。



■前著のおさらいと、さらに深く


第1章は前著と重なる内容や、より深めた内容が並ぶ。

とくに、子どもの望んでいることを望んだどおりにやればよい、といった考え方は前著と同様、中心的な考え方となっている。やりすぎ、先回りしてやってあげ過干渉がよくないのであって、そうでなければ、基本的には子どもの望んだことは、喜びをもってやってあげればよい、ということだ。

それは、子どもはできないからしてほしい、というわけではなく、気持ちを満たしてほしいからしてほしいということもある。例えば、保育園の帰りを思い起こしてほしい。自分で歩けるのに、抱っこをせがんでくる。それは歩けないからではなく、保育園で何かあったのかもしれない、それとも、最近忙しくて遊んでやれないから甘えてきているのかもしれない。気持ちを満たしてやることが重要なのである。

それは、わがままになるのではないか、自立を妨げるのではないか、と親としてはいささか不安になる。
しかし、著者は、ありのまま受け入れられるという依存体験と自立は正比例すると言い切る。
さらに、著者は自身の子育てを振り返り、次のように言っている。

自分の心や体や時間でこたえてあげられるものは、可能なかぎり与えてきた


子を持つ親としては、こう言い切りたいものである。



■思いやりの心を育てるには


さらに、親としては誰もが気になる、思いやり心はどのように育てるのか、という質問に対してはこうだ。

まず、子どもたちのなかに思いやりの心が育てられるには、思いやりのある人に出会わなければいけない。
また、子ども自身が十分に思いやりを受けてこなければいけない。
そして、思いやり、というのは感謝することに起源がある。
ところが、現代は、感謝と尊敬、という気持ちが育ちにくい。子どもたちのなかに、人に感謝する、人を尊敬するという感情を育てるには、まず大人が日頃からそういう感情を持つように努力しなければいけない。

要するに、こうなってほしいと思うなら、親がそうならなければいけない、ということだ。
理屈は非常にシンプルなことだと思う。

あとは、親自身も自分を高めなければいけないということだ。まさに、どこかで聞いた言葉ではあるが、育児は「育自」、教育は「共育」である。



■母性と父性の役割と順番


第2章「育児、母性と父性、家庭について」は、前著にはあまり触れられていなかった内容が多い。
とくに母性と父性のくだりが心に響く。

簡単に言うと、母性的と父性的の特徴はこうだ。

母性的は、条件なしに子どもを愛すること、受け入れること。子どもの長所を気づかせてあげるというのは母性的な機能。

父性的は、人はどう生きるのか、価値観や理想、規則、責任などを教えること。社会のルールを教えるのは父性的な機能。

この2つの順番が大事だという。

まずは母性。母性的なものが十分与えられないと父性的なものは伝わらない。非行に走る子ども、問題を起こす子どもにいくら規則だ、責任だと、父性的なことを言っても、小さいときに母性的なものが十分与えられていないと、伝わらない、という。
だから、乳・幼児期には、受け入れるということが必要なのである。

そして、家庭に必要なのが、この母性的な機能と父性的な機能。さらに、ありのままの自分を受け入れてくれる場、ということになる。



■自分だけでなく相手の幸福も考える生き方に


第3章「育児と社会」は、子育てのみならず、親自身の生き方を考える上でも示唆深い内容となっている。ここは、いくつか本書の言葉を引用してみたい。

現代人が他者を思いやる気持ちをなくして、自分だけを大切にするという生き方が非常に強くなった


私たちはいつのまにか、自分を大切にというよりむしろ、自分だけを大切にという生き方をするようになってしまった


相手を生かすように努力しながら、相手の幸福を考えながら、自分が幸福に生きているという生き方にならなくてはいけないのです。


私たちは個人を大切にするという風潮のなかで、自分を大切にすることばかりに気をうばわれすぎて、他者を大切にするという生き方の視点を失ってきました。その結果、他の人を大切にすることができなくなったばかりか、自分のことさえ大切にすることができなくなってしまい、みんながおかしくなって、児童期や青年期の精神科クリニックは超満員はえすよ。自分だけを大切にする生き方を、みんなが始めたんですから。
現代はこんなに豊かで自由なのに、なぜこんなに、みんなの心が病んでいるのでしょうか。それは、みんなが自分のことしか大切にしなくなったからのです。だれかを大切にするいて生きなかったら、私たちは結果として、自分も大切にできないんだということです。



自分だけの幸福ではなく、相手の幸福もあわせて考えられる、そんな気持ちを持った子ども、いや、子どもだけではなくて、親もそういう気持ちを持った生き方をしよう、そう思わせてくれる。



■本書を読んで意識・行動しようと思ったこと

●他人(まずは妻)に対して、「感謝」と「尊敬」の気持ちを持つ
●子どもの良い所を見つけ、感じ取って、それを子どもに気づかせてあげる
●家庭だけではなく、多くの関係性の中で子どもを育てる
●相手の幸福を考えながら、自分も幸福に生きているという考え方を意識→他人本位
関連記事
スポンサーサイト
このエントリーをはてなブックマークに追加

にほんブログ村 子育てブログ パパの育児へ
にほんブログ村


子育てパパ ブログランキングへ

コメント

非公開コメント